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オートジャイロとヘリコプター

突然ですが、ヘリコプターの話をさせてください。

ライト兄弟が操縦可能な固定翼機で飛んだのが1903年。
だが安全に操縦できる機構を持ったヘリコプターは1935年になってようやく出現。
実際に大いに利用されるのは戦後になってから。ヘリコプターは難しかったし危険だった。
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この本を読んで子供の頃からの疑問が氷解した。ただし、やたら「話も飛ぶ」ので読みにくい。
原理についての説明にはちょっと怪しいところもある。
でもヘリコプターの開発の歴史がよく分かる。
ページの半分は、ヘリによる武勇伝で占められているから著者はミリタリー・オタクらしい。

ヘリコプターが実用化されるずっと前に、オートジャイロというのがあった。(見たことないけど)
宮崎駿のアニメ 「カリオストロの城」で有名になった。
オートジャイロ
初期のオートジャイロには主翼も尾翼もある。
プロペラによって前進し、ローターは風を受けて回り出し、揚力を発生するだけ。
現代のヘリコプターのようにローターを傾けることによる操縦はしてはいなかった。

現在、ネットで見ると自作した単翼のオートジャイロが軽快に離着陸している。
モーターカイト(モーター・ハング・グライダー)のように背中に推進ペラがある。
垂直尾翼(方向舵)が付いてるものが多い。
単翼ローターで両翼が一体でヒンジが無い。大きく撓むから複合材料かも?
シーソー型の一軸水平ヒンジ?操縦桿でローターの軸の傾きをコントロールしている。
離陸前にローターを一時的にエンジンにつないで事前回転できるるものもある。
いろいろあるが、どれもとても安定して飛んでる。原理的にへりよりは安全なのだ。
それに比べて自作ヘリは危なっかしいものが多い。
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オートジャイロは1920年代には広告の吹き流しを引いたりして、とっくに実用化されてた。
ホバリングこそ出来ないが、ヘリコプターと大差ない飛行ができた。
安全で燃費も良さそうなのに、どうして絶滅したのか?
これが私の疑問だった。
その理由は、、、、、積載量がわずかで、速度が意外に遅かったから?

確かに第二次世界大戦時、ムッソリーニの奪還作戦に活躍したナチスの「シュトリヒ」
(フィーゼラー社製)という軽飛行機はテニスコートから離着陸できたし何人も乗れた。
巡航速度はオートジャイロyりは速かった。

オートジャイロが最初に注目されたのは、意外なことに安全性が高いことだった。
エンジンが止まっても、ローターは風車みたいに回転してる。
いわゆる「オートローテーション」である。なので固定翼機のような失速がない!
パラシュートを付けてるようなもんだ。
開発初期ですら、墜落しても死亡事故はほとんど無かったという。

開発が遅れていたヘリがあとから進化してきて、オートジャイロを駆逐した。
ヘリが実用化できたのはオートジャイロから得たノウハウが貢献していたのだ。
オートジャイロのオートローテーション緊急着陸(滑空着陸)をヘリコプターも利用してる。

ただし、ヘリはエンジンブレーキがかかったらローター回転が下がってしまう。
だからエンジンが止まったら即、接続を絶たないとアブナイ!
なので、エンジンとの間は常に「フリーホイール」で繋がってる。
ラチェット構造で、一方向の回転だけ動力を伝える。自転車と同じだ。
止まったヘリのローターがなかなか止まらないのはフリーホイールのせいだったのだ!

いつ、エンジンが止まってもオートローテーションできるように斜めに降下する。
ホバリング着陸はリスクが大きい。常に150m以上の余裕高度を保って飛ぶ。

現在のヘリコプターの多くは「まともに」飛ぶために、ローターの付け根の
構造が物凄く複雑だ。「全方向関節」である。その1本のヒンジ・ピンが破断しても墜落する。
アブナイ乗り物だ!
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そのせいもあって、開発も、生産コストも、整備費用も、固定翼機の10倍だとか。
そういえば、、、エンジンだって水平軸で回ってるのをギアで垂直軸に変換してるし。
レシプロのプロペラ機はペラとエンジンは直結だが、ジェット・ヘリは1万回転で回る
ギアを使って、ターボシャフトの回転をを400回転くらいまで落とさなければならない。
複雑極まりないし、機械的損失も大きい。

なんで現代のヘリのローター付け根がやたら複雑なのか?を考えよう。
竹トンボは飛んでるとき、軸は「ミソスリ、味噌擂り」運動をする。ナンデ?
加工精度が適当だし、空力的な変動が大きいからだ。
最初のオートジャイロも、竹トンボみたいにローターと軸が一体だったのか?
軸が機体だったら振り回されてしまうし、壊れる。たまったものではない。
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左右のブレードは一体でも、シーソーのように中央にヒンジがあったのかも?
ブレードが複数あって、なおかつそれらが一体なら、自在接手だった?
それともボールジョイントだった?分からない。
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前進速度が上がるほど「左右の揚力差」が大きくなる。当り前だ。
上から見て時計回りにローターが回るなら、前進速度が上がるほど、
右半円ではローターは揚力を失い、左半円での揚力は過大になる。
だから、前進スピードが上がると必ず右に転倒してしまう!ノロノロ進むしかない。

1.これを解決したのが「羽ばたき」だという。 ナニソレ?
      多分、「水平ヒンジ」を付けたのだと思う。
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「フラッピング」とは羽ばたきのこと。ローター付け根の水平軸ヒンジのことだ。
左右のローターが、鳥の翼のように独立して付け根から上下に羽ばたける。
オートジャイロのローターの付け根に水平軸ヒンジを付けたら問題解決!ナンデ?
ローターは回転すると遠心力で「ごくわずかに上向きの「オチョコの傘」みたいになる。
そして、オチョコのコーンは、受ける風向、風圧に従って「自律的」に傾きと形が変化して
バランスするという。
機体はヒンジを介して「オチョコになった傘」にぶら下がってるのだ。

現代のヘリも、このオートジャイロで発見したフラッピング・ヒンジが付いてる。
ただし、「水平2軸ヒンジ」である。
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どうしてオチョコの傘は自律的に変化するのか?
それは鳥の羽ばたきそのものだというが、ここがちょっと怪しい。

上から見て時計回りのローターを考えると、前進スピードを上げると、、、
   揚力が増える左半円のローターは、腕を上げて(傾いて)回転する。
   揚力のベクトルも傾くから、有効揚力は頭打ちになる。
  
   揚力が減る右半円のローターは腕を下げて回転する。
   最低限の揚力を保って頑張る!
   強力な遠心力のために、例え揚力がゼロになっても回転円周面よりは下がらない。
   
その結果、左右の傾き角度が異なるコーンの形で自律安定するということではないのか?
ちっとも鳥の羽ばたきではないと思うけど、、、
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回転円の左右の揚力は左右バランスを受け持ってる。
上から見て時計回りのローターなら、高速になるほど右の揚力は減る。左は増える。
「オチョコの自律性」も限界が来る。
いずれは後ろ向きに回るローター側のチップ・スピードが機体の速度に追い越されて、
揚力がゼロになる。左右バランスは失われる。
前向きに回るローターのチップスピードは機体速度が加算されて音速に近くなる。

また、高速巡航中の揚力の大半はローターの回転円の前縁と後縁が受け持っている。
前進速度が上がるほどローターの回転速度と前進速度との合成風向が前向きに変わっていく。
そうなればこっちも揚力が頭打ちになる。
現在のヘリは実用で300km/h、最高で400km/hを記録した。これが限界である。
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上昇中は揚力を高めるため、また下降中は下から風圧を受けるため、
ローターブレードは「オチョコ」つまりわずかに上に開いたコーンになる。
物凄い遠心力のおかげで、フラッピング・ヒンジがあっても「バンザイ」までにはならない。
巡航時はほぼ水平になる。
停止するとローターはひどく垂れ下がる。危ないので下方向側にストッパーが付いてる。

2.それでもオートジャイロのローターは疲労破壊した。なぜか? 
     ここは難しいのだが、ローター回転円には「コリオリの力」が発生する!ナニソレ?
コリオリの定理は、自転しながら公転(移動)するものには必ず付いて回る。
微小な力だけど無視は出来ない。
例の「北半球の台風の渦は反時計回りになる」という理屈だ。
ローターの場合は、話が裏返しになるからヤヤコシイ。詳しい説明は省略させてください!
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前進移動するローターは一周する間にわずかに加減速するのだ!分かるかなあ?
ガッチリ固定したローターは、前進速度を上げるとスゴイ振動になる。
なのでオートジャイロは、水平方向もある程度自由にさせる「リード・ラグ・ヒンジ」または
「ドラッグ・ヒンジ」とよばれる水平軸を設けた。
ローターは水平回転面で「ラグ程度」つまり「ガタ程度」にわずかに動ける。
但し、ここにはダンパーが必須である。ダンパーが無いと振動が増幅してしまう。

ヘリコプターも、このリード・ラグ・ヒンジ(ドラッグ・ヒンジ)が付いてる。
これもオートジャイロの開発のおかげだ。

3.そして更に、、、現代のヘリには「フェザーリング・ヒンジ」が付いてる。ナニソレ?
      これは「ピッチ・ヒンジ」と言ったほうが分かり易い。
      ブレードのピッチ角(迎角)を変化させるのだ。
但し。オートジャイロにもフェザリングー・ヒンジが付いてたかどうかは書かれていない。
ここで言ってるフェザリング・ヒンジとは、船のスクリュー、飛行機のペラと同じ
「可変ピッチ」のことを言ってる。当然、フェザリング、つまり「迎角ゼロ」にもできる。
なぜなら前述した通り、エンジンとローターはフリーホイールで接続されている。
だから停止中にフェザリングしておかないと、風が吹くとローターが回ってしまうからだ。
クルマのサイドブレーキ・レバーみたいな「コレクテイブ・レバー」を引き上げて、
ピッチ角を変え、揚力を調節し、上昇、下降、巡航する。

フェザリングとは本来、「風になびく鳥の羽」のことだ。
鳥の風切り羽は羽軸が片方に寄っている。だから風が当たると戦国時代の幟旗・ノボリバタ
みたいに「なびく」のだ。
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エンジンストップしてしまった飛行機は抵抗を減らすために、ペラのピッチ角を進行方向に
向けて風圧で回らないようにする。これをフェザリングと呼ぶ。
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余談だが、ヨットや、モーター・グライダーは、スクリューやペラが邪魔なときは完全に
折りたたんでしまうフォールデイング・ペラ(折り畳み)があるが、これもフェザーリングとも
呼ぶことがある。ヤヤコシイ。
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4.ヘリのローター回転数は大体、毎分300回転数くらいで一定にしている。
        クルマみたいに頻繁にパワーコントロールはやらない。
        コレクテイブ・レバー先端に付いてるダイアルを回すだけ。

コレクテイブ・レバーを引くと、ブレードのピッチ角が大きくなって揚力が増えて上昇する。
だが当然、抗力も増える。それに応じてエンジンに負荷がかかる。そして回転は下がる。
揚力も下がる。だからダイアルを回して予めパワーを上げておく。
一番怖いのはピッチ角をやたら大きくし過ぎることだ。墜落する!
そうならないようにピッチ角の最大値は制限される。

5.なおかつ、回転面の中で「非対称に」ブレードのピッチ角を変化させることが出来る!
     これこそ現代のヘリ独特の優れた構造だ。
     これはオートジャイロには付いていなかった。
本村川源頭ルート
この操作はサイクリック・ステイック(操縦桿)で行う。飛行機と同じだ。
但し、前進上昇時は前へ倒すので、全く逆である。
これを可能にしてるのが「スワッシュ・プレート」だ。「斜板」と訳している。
傾きが可動になる円盤が軸を貫通していている。 門松の斜め竹割りみたいなもんだ。
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スワッシュ・プレートって何? クルマのエアコンのコンプレッサーは、昔は縦型ピストンだったが
昭和40年代には、ほとんどが筒型水平ピストンのスワッシュ・プレート構造に置き換わった。
昔、ロータリーエンジンと張り合って、「スワッシュ・プレート・エンジン」も開発されてる。
なつかしい!
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ヘリは、ローター直径がデカいほど効率が良い。なぜか?
「ダウンウオッシュ」つまり下向きの風が弱いほど効率が上がるし安全なのだ。
ジェット機だって噴流速度を上げる全開離陸時よりも、相対風速が小さくなる巡航時のほうが
効率が高い。
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ヒンジだらけの現代のヘリは「全関節型」と呼ばれる。三方向に自由だ。
だが今、革新が起きてる!
ローターそのものを複合材料の板バネで作ればヒンジを廃止出来る!いや、全廃はムリか。
こうすればヒンジピン1本が折れただけで墜落!という脆弱性が無くなる。

スカイダイビング体験記のところで書いたけど、あのとき飛び降りたジェットヘリの迫力は
いまだにに頭に残ってる。たった10分で3000mも上昇したのだ!
但し正確に言うとジェットヘリではない。ターボシャフトだ。
ジェットを推進力としてはほとんど使ってない。もったいない。

ジェットの燃費は物凄く悪い。
ダイビング料金の大半が燃料代だというのは、ヤッパリ本当なのだ。
だが軽量、高馬力のガスタービンがあってこそ、現代のヘリは進化できた。
宙返りといった高機動飛行さえできるようになった。

それはそれとして、ネットを見ると沢山、自作ヘリの動画が見れる。
その多くは飛び上がれないか、飛び上がってもとんでもなく不安定で
たちまちひっくり返るものが多い。
自作ヘリの動画の失敗は、先人の同じ失敗を繰り返しているように見える。
1.浮き上がった瞬間にひどく不安定になって横滑り、転倒する。

2.特にテールローターが付いてるポピュラーなタイプは、浮いた瞬間に機体が回転する!
  テールローターが不要な、つまりメインローターの強大なトルクを打ち消してしまうタイプの
  「2重反転ローター」とか、「複数のメインローター付き」がある。
  更には、トルクそのものが機体に伝わらない「チップジェット」があるが、
  物凄い音が出るので絶滅してるし、、、、、これらを自作するのは大変だろう。

3.浮き上がったとしても、地面効果(グランド・エフェクト)が無くなる高度1.5mから上を
  突破するには更なるエンジン馬力が必要になる。パワーの壁だ。

その点では、自作オートジャイロの多くは非常に安定した飛行をする。
自作ヘリコプターはとても危険な乗り物なのだ。


書きかけです。

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麻績村博物館のジェットエンジン

度々紹介してきたが、ここにはジェットエンジンまで展示してある!
カットモデル
写真をクリックしてください。
こっちが吸い込み口。 ピトー管と、7段軸流コンプレッサーが見える。
後方のアクリル板の中が燃焼室。その後ろが噴出口。
エアのバイパスダクト(カウリング)が無いから「今はやり」のターボファンジェットではない。
ベーシックなターボジェットである。
このカットモデルは、整備訓練向けに結構な台数が出回ってるらしい。
吸い込み口
圧縮空気スターター? 電気スターター? 発電機?  
吸い込み2
こっちが噴出口。アフターバーナーも、逆噴射装置もない。
この最後尾のタービンブレードは800度近い高熱に常にさらされる。
ブレード内部に冷却空気を通してるといっても真っ赤になるはず。 オソロシイ!
触ると軽々と回る。毎分1万回転!
軸は、最前列の軸流コンプレッサーと一体なので噴流のエネルギの一部を
最後尾タービンで回収して最前列タービンを回す。
謎のメーターがあるけど、この部分だって数百度になるというのに大丈夫?
冷却空気のパイプらしいものがある。

高温のジェット噴流は、ロケットみたいに初めからボワーっと円筒形に噴出すのではない。
ドーナツ型のタービン外周から噴出されて、コーン状のデユフーザーで円筒形に広がっていく。

そのまま噴出したら、噴流は扇風機みたいにタービン回転方向に渦巻く。
それをストレートに整流するため、合計8枚くらいの大きな仕切り板がある。
ラベル
なになに? ネットで調べたら、、、
ブリストル シドレー社の軸流7段ターボジェットエンジン。
軽戦闘機、練習機向け、後には「ハリヤー垂直離着陸機のコアエンジンに発展した。
推力3.2トン、自重1.8トン、つまり自分の2倍近くを垂直に持ち上げられる。
富士重工がレシプロ練習機に換装したとか。

シドレー社と聞いて突然思い出した。
「アームストロング・シドレー・サファイア」という、なつかしいクルマがあったのだ。
やたら車名が長いが前半は地名、会社名だ。
イギリスのブリストルにある軍用機エンジン会社がクルマも作ってた。合併離散を繰り返した。
だからサファイアというジェットエンジンもある。ヤヤコシイ。

65年以上前、昭和30年代の中学生の時に買った「モーターマガジン誌」の表紙だかに、
この名前の薄青色の英国セダンが載ってた。側面だけだった。肝心の前面は分からない。
黒いクルマしか走ってない日本。こんな美しい色のクルマなんて見たことがなかった。
いつかは実物が見たかった。
それから何十年、たまたま買ったDVDの、ヒッチコックのカラー版のスリラー「13階段」に、
またまたこの薄青色のクルマが出てた!美しかった。だがここでも側面しか写ってない。

おっと、初めから脱線した。

レシプロエンジンなら大抵のことは理解できる。だがジェットエンジンとなるとねえ、、、
ジェットに対しては以前から疑問をいくつか持ってる。

1.スチームタービンは戦艦大和の昔から使われてるし、火力発電もタービンを回す。
  100度ちょっとの過熱水蒸気の中で作動する。
  だが、、、ジェットエンジンの最後尾のタービンは1000度近い高温の噴流の中にある。
  そう、ガスバーナーの中でタービンが回っているのだ!
  上流の軸流コンプレッサーを駆動するパワーを噴流から回収するためだ。
  コンプレッサーが回らないと燃焼が始まらない。

  なんでこんなムダな努力をしているのか?なんとかならないのか?
  ちなみにジェットは、燃料熱量の30%しか前進推力には使えないという。
  残りはコンプレッサーとか、油圧ポンプとかに消費され、噴流として大気に捨てられてる。
  もったいない。

2.ジェットエンジンと言うのは唯一無二の「大気開放型」のパワーソースだ。
  つまり異物が吸い込まれたら即、壊れる! バードストライクとか、火山の噴煙とか、
  機首の部品が外れて吸い込まれたり、、、
  コンコルドは滑走路の上のバーストタイアの破片を吸い込んで墜落、廃止された。
  亀が歩いてて滑走路が閉鎖されたり!

  他のエンジンで大気に開放してるものはない。
  吸い込み口には必ずフイルターが付いてる。
  F-1レーサーだって「ファンネル」という網を付けてる。

  ジェットエンジンの前面にはなんでフイルターとか、格子とか、ネットが付いてないのか?
  その分だけパワーロスするからだが、なんかおかしい。
  ヒコーキが危ないのではない。ジェットエンジンがとてもアブナイのだ!

3.ジェット、ロケットの原理はイカが墨を吐いて逃げるのに例えられる。
  かってヨット帆走していて、デッキの上をイカが飛び越えたのを目撃した!
  魚を追って夢中になって空を飛んだらしい。
  密度の高い水を噴出して飛ぶのはいかにも効率が良い。
  だが、、やたら軽い空気を大量に吹き出さないと飛べないジェットは効率が悪いのでは?

4.特に離陸時は「暖簾、ノレンに腕押し」みたいな大気に全開でジェットを吹き出す。
  これって究極のムダではないのか?

  空母から離陸するときは甲板の損傷や乗員保護のために板(ジェットブラストデフレクター)
  を斜めに立ち上げて噴流をぶつけてるけど、あれも多少は推力の損失防止効果があるのでは?
  宇宙ロケットも発進時は地面に噴流をぶつけてる?
  ヘリコプターは地上に近いときは「グラウンドエフェクト」(地面効果)が発生する。

  まさか旅客機にカタパルトをひっかけるわけにはいかないけど。
  なんか助走を支援する方法はないものかなあ?

5.ジェットにはレシプロみたいな「爆発行程」が無い!連続燃焼だ。
  まるでガスバーナーが空を飛んでるみたいだ、、か弱い!

  レシプロエンジンは閉鎖した燃焼室の中で爆発させて燃焼を完結させてる。
  だから排気ガスはそれほど高くない。
  シロウト目にもこっちのほうがパワーが100%引き出せるような気がするのだが、、、
  レシプロの昔のヒコーキのほうが絶対に燃費が良いはず。
  ターボプロップとか、ターボファンで、その劣勢を挽回してるけど、まあムリだ。

じゃあ、何でジェットエンジンなのか?
それはパワー・ウエイト・レシオが物凄く大きいからだ。
こんなに小さくて軽くて、これだけの超絶パワーを出すものはジェットしかない。
なにしろ、このジェットエンジンの自重は1200kgなのに1万馬力出る。
スーパーカーのエンジン自重は200㎏ぐらいかな?それで400馬力くらいだ。
同じ馬力だったら重さは4分の1くらいになる勘定だ。
その代償で燃費も4倍なのかな?

今の戦闘機は巡航で5万馬力、超音速では25万馬力!昔の空母1隻分!
ゼロ戦は1000馬力、グラマンは2000馬力だった。桁が違う。

大戦直後にアメリカで商品化された「ヒラー・ホーネット」という
「チップジェット型ヘリコプター」があった。ローター先端に「ラムジェット」を取り付けたのだ。
ローターの反転トルクが発生しないので小さいテールローターもテールブームも不要!
そのラムジェットは1ケがたった数キログラム、それが2ケ、超軽い!
それでもヘリとして飛び上がれた。騒音と火炎がものすごくて燃費が悪かった。
商品としては普及しなかった。

ラムジェットというのはドンガラの筒みたいなもの。そこに燃料を吹き込んで点火するだけ。
タービンもコンプレッサーもくっついてない。欠点は自力ではスタートできないこと。
ローターを芝刈り機のエンジンでまず回して勢いがついたらラムジェットに点火する。

あーあ、また脱線した。
書きかけです。

不時着?博物館の追加


「麻績村」(おみむら)博物館の屋外展示場に、もう1機あったのを忘れてた!
その名は「全天候戦闘機、セイバードッグ」、、、、既に紹介したセイバーの兄貴分だ。
セイバードッグ

亜音速での戦いとなったので、もう役立たない機銃は付いてない。
見た目はセイバーそっくりさん。だがスケールアップされていて一回り大きい。
ミグの出現であわてて開発した粗削りのセイバーをベースに磨き上げたモデルだ。

ボデイ下にぶら下がってるのは物騒なロケットランチャー。
24連装!の穴から飛び出すのは無誘導のロケット弾。その名も「マイテイマウス」!懐かしい。
折り畳みのテールフインは付いてるものの、ロケット弾というのはロケット花火みたいにフラフラ
飛ぶから絶望的に命中しない。
なので「ヘタな鉄砲撃ちも数打ちゃ当たる」とばかり一気に斉射する。
「シェーン」の全弾早打ちを思い出す。いや、一発は最後のシーンまで残してたっけ。

そういえば、プロペラ機の「ムスタング」のラジエータもボデイ下後方に出っ張ってた。
この位置は意外と空気抵抗にならないそうだが。
そうはいっても後のモデルでは、ランチャーは主翼下の吊り下げレール式に変更された。
説明版
弟分のセイバーは全天候戦闘機とは言わない。その違いって何?
鼻面のレーダー(黒いところ)がデカいからドッグと呼ばれてるが、
この中にはレーダーがある。セイバーより鼻が大きいから照射範囲が広いのだ。
そういえば日本軍にもレーダーを装備してる「夜間戦闘機」があったっけ。

なお今では当たり前の電子制御を導入した初期の機体だ。
なので半導体時代ではないから真空管だらけだったそうだ。
アレ、真空管なんて知らない?

垂直尾翼。
水平尾翼
水平尾翼はフライイングテールに移行している。
水平尾翼右側
右側テールには胴体側2ケ所にボルテックスジェネレーターが配列されてる。
水平尾翼左側下面
いっぽう、左側は水平尾翼下面にもベタベタにボルテックスジェネレーターが!
しかも昇降舵面(右には無い!)を殺して貼り付いてる。明らかに後付だ。
機首の引上げ操作をすると左尾翼下面の気流が剥離するのか?
そうなったら機体はに左にロールしてしまう。

左側の下にだけ突出してる赤いエアスクープが大迎角のときに尾翼に悪さをする?
それともジェットエンジンにも回転トルクの反動があって、それを抑え込むために
全開時に左舵を大きく切らなければならないとか?
全浮動式にすると、こういう問題も出るのだなあ。
エアスクープとエアアウトレットだらけ
ボデイ各部にはエアインレット、アウトレットの穴だらけ。
後付けの紙工作みたいなエアスクープもある。
謎のエアスクープDSC09851.jpg
そのすぐ後ろに縦長のスリットがある。
ウインドシールド全面のエアアウトレット
前の角穴から空気を取り込んで、ウインドシールド下端から噴出させる穴列がある。
ワイパーの役目をするらしい。
キャノピー後ろのエアアウトレット
キャノピー後端の吸い出し孔、ベンチレーターか?
右のアウトレット
右中間部のアウトレット

後輪のブレーキがやたら厚みがある。弟のセイバーはずっと薄い。
重量(翼面荷重)が増えて、着陸速度が上がったので強化したのか?
とはいえ、いかにも小さいバルーンタイアのほうが先にバーストしそうだ。

油圧、多板式のデイスクブレーキらしい。
デイスクブレーキは「セルフサーボ効果」がほとんど無い。
なのでもともとタイアロック(スキッド)は起こりにくい。
だが強力な油圧で押すからそうもいってられない。
アンチスキッド装置も付いてるのだろう。

ブレーキは、乾燥路面ではタイアがロックしたほうが停止距離は短くなる。
だが濡れてる路面でロックしてしまうと進路を外れてしまう。
ドッグセイバーの後輪ブレーキ
比較として、こっちは弟セイバーの後輪ブレーキ。厚みが僅かしかない。
デイスク枚数が少ないのだろう。
セイバーの後輪

着陸速度まで下がると揚力が減る。揚力を保つためにスラットを開いて大迎角で着陸する。
なので後輪が先に着地する。
回転してない後輪タイアがまず路面に激突してタイアロックする。
タイアのゴムは着陸の度に消しゴムみたいに摩滅する。

余談になるが、市販のクルマで最初にデイスクブレーキを採用したのはジャガーの
スポーツカー、といっても前輪だけだった。
タクシーは、運転手連が「サーボが弱い」と反対して、ずっとドラムブレーキだった。
今ではほぼ全てのクルマがデイスクブレーキになった。

着陸して最後に接地する前輪には、ブレーキそのものが無い。
弟分のセイバーには無い「Uの字パイプ」で強化されてる。
バイクをサイドカーに改造するための「アールズフォーク」の補強と同じだ。
セイバードッグの前輪
比較として、これは弟セイバーの前輪。シンプル過ぎる。
弟セイバーの前輪

終わり

不時着した博物館?  続々編です

最後は軽飛行機のメンターです。
メンター全景
思い出したけど、富士重工が国産化したはず。
私が中学生だった昭和30年代、新聞に「戦後初の航空機生産始まる」とあった。
機体を裏返しにし、主翼に砂袋を次々と積み上げていって、弓なりに変形させる限界強度試験をやってる写真が載ってた。
ミシミシと翼面にシワが出るかどうかで判定する。戦前からやってる許容Gを測る原始的な試験だ。

メンター全景3
練習機だけど「尾輪式」ではなくて、ちゃんと「前1輪式」になってる。
でも、細くて長い脚になってしまう前1輪は、現代でもトラブルが多い。
出なかったり、折れたり、曲がったり、パンクしたり、、、

その点では戦中に全盛だった「尾輪式」は面倒な前輪機構を省略できた。
しかし離陸時の前方視界が悪い。タキシング時はフォークリフトみたいに「後輪操舵」になる。
着陸時の「つんのめり事故」が多発。つんのめるとプロペラが破損する。最悪、裏返しになる。
静止時は床が傾いてる、などからほぼ絶滅した。

プロペラは「竹とんぼ」のような貧弱な2枚。エンジンパワーが小さいからこれで十分。
可変ピッチ装置はあるのかな?

そもそもプロペラの枚数、直径はどうやって決まるのか?
ペラは高回転ほど空力効率がいい。とはいっても「チップスピード」が音速を超えるとダメ。
エンジンパワーが大きいほどペラの枚数を3枚、4枚と増やす。ゼロ戦は3枚、紫電改は4枚とか、、、
事実、このメンターも後年、ハイパワーなターボプロップエンジンに換装したとき、ペラは3枚に増えてる。

静音のため、やたらペラの枚数を増やして、回転数を小さくした偵察機なんかもあった。
スピードが出なくなったと思うが。

大馬力を吸収する別な方法はペラの直径を大きくすること。だが大きいと地面に当たる。
「オスプレイ」は、その心配がないから、メチャでかいペラのまま水平飛行するけど大丈夫かな?
ターボプロップエンジンでは、静音目的や、音速衝撃波が出にくいカーブしたペラもある。

メンター説明版

メンター尾翼2
尾翼の構成が面白い。
どの舵面にも風圧バランス面が出っ張ってて「トリムタブ」もある。

昇降舵のトリムタブの操作ロッドはむき出し。ビード付きの板だらけ。古くはユンカース、クルマで言えば「シトロエン・2CV」みたい。
見栄えなんて気にしてない。アマチュアの自作ヒコーキみたい。
「空気抵抗低減には滑らかな表面が必須」なんて守ってない。

昇降舵にもトリムタブが付いてる理由は、重心が後ろに来たら「トリム上げ」にする必要があるからかな?
タンデム最大4人乗りもあったそうだから重心移動はバカに出来なかったのかも。

シッポの三角板は「風見性能」の向上策なのか? 
なくてもよさそう。後期のモデルの写真をさがしたら廃止されてた。 
同じくシッポの穴は、、、燃料の緊急廃棄口?それとも尾灯が欠品してるだけ?
メンター尾翼

ところで、、、、
クルマの開発に携わってた身として、ヒコーキの現物を見るたびに思うのだが、、、、
幻滅するほど機体表面の作りが雑過ぎるのだ!!

クルマ業界はひたすらボデイ表面の仕上がりと苦闘している。
滑らかな「つなぎのカーブ」、 曲面の歪みはないか?ハイライト・ラインは?
張り剛性は?映り込みは?パネルの合わせは?塗装のブツは?
、、、、 鏡のような表面を要求される。
もちろんそれは商品としての高級感追求なのだが、

古くは流線形の追求での空気抵抗低減、燃費向上、風音の低減などの追求でもあった。
コーダトロンカとか、テールフィンとか、ウエッジ・シェープとか、スポイラーとか、空力特性の流行もあった。
もっともグライダー(ソアラー)は、クルマ並みに滑らかな機体表面に仕上げられているのだが。

だが、、、
普通のヒコーキの外観表面の仕上がりには細かい滑らかさが全く見られない。
むき出しのリベット列、適当に合わさってるだけのパネル、中の骨組みが浮き出て見える、
ヘコヘコのジュラルミン外板、まあ、部分的にパネル交換するためだろうが。
果てはトタン板のような波板!「沈頭鋲」などが話題になるが、たいしてスムーズな面ではない。
空気抵抗だの、層流翼だの、剥離だの、渦流発生だのという割には、とても真剣に取り組んでるとは思えない。
まあ、口うるさい末端消費者向けの商品ではないというのも理由だろうが。

空力抵抗というのは、「マクロな機体形状」「前面投影面積」だけで決まるものなのかな?
ミクロな表面の滑らかさは、表面層流層の厚みより出っ張りさえしなければ、ほとんど貢献しないのではないか?
四角な箱モノのクルマで必死でバックミラーの形を滑らかに変えたり努力しても、
それはデザイナーの自己満足か、見た目だけの美しさだけのことなのだ。
事実、風洞実験やっても、その抵抗値の差異なんて、再現できないくらい小さい。

そういう目で見ると、昔の葉巻型の丸っこいスムースなF-1レーサーに比べて最近のF-1なんかは、やたら角ばったパーツの集合体になってる。
かっての、流体理論を取り入れたロータス・イレブンの滑らかなフェンダーのふくらみなんて、もうお目にかかれない。
スーパーカーは角ばったウエッジシェープの塊と化した。
空気抵抗低減はすっかり諦めて、ひたすらダウンフォースの増加に努めているみたいだ。
その点では最新のジェット戦闘機もやたら箱型に角ばってる。
ステルス性の追求とか、衝撃波対策が優先してるのかな

終わり

不時着?博物館 の続編です

セイバー全景4

次なる目玉はセイバーの F86-F。後退翼の単発、
なんか初期の「ミグ15」のソックリさんに思える。それもそのはずの理由がある。

ソ連のミグ15は、朝鮮戦線にいきなり出現した。35度という極端な後退翼だ。
後退翼はナチスドイツが発明したもの。
直線翼では翼前端の全長にわたって同時に音速衝撃波が発生してしまう。
後退翼は音速衝撃波がズレて発生するので少ないパワーで音速を突破できるらしい。
その上、音速以上では操縦性が良い。
ソ連は捕獲したノウハウを使って素早く開発した。

同じくナチスドイツの資料を入手していたアメリカだが、後退翼の理論に懐疑的で、
直線翼ジェット機しか投入してなかったので大慌て。
直線翼では後退翼とのドッグファイトで負ける。
大急ぎで後退翼ジェット機を投入した。だからミグ15によく似ている。
だが後退翼は、通常速度ではダッチロールなどの面倒な現象もある。
セイバー説明版
セイバーは緩降下時にジェット戦闘機として初めて音速突破した。
いや、X-1のチャック、・イエーガー以前に、ジェット戦闘機で音速突破したと主張するパイロットもいた。
戦中の特攻ゼロ戦の「脳天逆落とし戦法」では、エアブレーキは無かったから
音速を突破して操縦不能や空中分解した場合もあったはず。

機首先端の黒いプラスチック部分の中には索敵レーダーが入ってる。
面積が小さいから前方向だけしかレーダーには写らない。
夜間や悪天候では原則、飛べなかった。

「目見当」で引き金を引く機銃でドッグファイトをやった最後の世代だ。
セイバー吸入口
操縦席はエンジンに跨ってる。すごい振動、騒音だったろう。
セイバー機首の謎の物体
機首先端にある謎のフィン。照準器? それともピトー管? 
セイバー前輪
この前輪も小さい。
セイバー前縁フラップ
教科書通りの前縁のスラット。これは戦中から実用化されてた高揚力装置だ。
前縁を下に曲げて、なおかつスリットから翼上面に空気流を送る。
翼のキャンバーが増えるし、翼面積も増える。着陸時の大きな迎角での翼上面の剥離、失速を防止する。
結果、着陸限界速度が下がり、航空母艦に降りれた。

DSC09110.jpg
水平尾翼は普通の昇降舵になってるように見えるけど「半遊動式」らしい。
まだ全遊動式(オール・フライイング・テール)にはなっていない。
つまり昇降舵とは別に、尾翼前半も独立に回転する。

方向舵にはトリムタブが付いてる。
ステンレスで光ってるところはアフターバーナーかな?
軽量だったので燃費の悪いアフタバーナーを使わずとも離陸できたそうだ。
胴体左右にエアブレーキが開くらしいが、、、どこだか分からなかった。
ドラッグシューター(着陸ブレーキパラシュート)はまだ付いていなかった。

セイバーのエアインテーク
このエアインテークは「NACAが開発したダクト(エア・スクープ)」と呼ばれたもの。
地味で小さいけどすごく有名なのだ。
風洞実験で音速衝撃波を緩衝する効果があるといわれた。

実は、、、、
クルマのデザイン界ではこの「NACAエアスクープ」がブームになった!
カーデザイナーはこの形を一斉に真似した。
フェラーリ、ムスタング・マッハ2!のフードにも付いてた。どっかの軽自動車にも採用された。
クルマはマッハにはならないんだけどねえ。

余談ばかりだが、、、、、、
後年発見された超音速機の「エリアルール理論」も流行した。
「音速では、前面投影面積を前後軸の各断面で同一にすると抵抗が減る」という法則だ。
これを採用したデルタ翼機は、翼のところをクビらせ、後半がまた膨らむセクシーな形となった。
なのでアメ車は一斉に真似して、フェンダーの後半をふっくらさせたクルマを売り出し、
これを「コーク・ボトル・テール」(コーラの瓶の形)と称したのだ。
もちろん国産車も皆なコークボトルテールを真似した。なつかしい昭和の話です。

続々編に続く


プロフィール

ゴンベ

Author:ゴンベ
房総の沢、滝探検、ヤブ山探検、地形調査、デインギー(ヨット)などを書いていこうと思っています。
分かりやすいように書いていくつもりですが、もし分かりにくいことがあればコメントをいただければ可能な限り答えます。
読んでいただければ幸いです。

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