fc2ブログ

房総 梨沢 七つ釜 不動滝

梨沢大滝(不動滝)
七ツ釜大滝(不動滝) 今日はそこそこ落水あり

上から降りてくると
鹿狩り名人は長靴でトラバース
降りてくると
今年は砂利で埋まってないので美しい。でも冬だもんねー、突破できない。

さて今回は、、、、、沢探検のネタ切れとはいいたくないが、、、
コマゴマと、「沢の詮索」いや「「探索」なのである。お許しを。

梨沢七つ釜

地図では、あっさりしてるので案内図にした。
但し、下が北になってるのでご注意を。

梨沢七つ釜案内図

「梨沢七つ釜」といえば知らぬものなし、
「房総で丹沢並みの沢登りが出来る」とガイドブックに載ってる、それはチト大袈裟である。
なにしろ房総には、房州アルプスあり、房総マッターホルンあり、なんでもありなのだ。

声を大にして言おう。梨沢にはヤマヒルはいない!!!!
と言ってたら、、、とうとうヤマビルが進出してきてしまった!

房総半島のヤマヒルは国道410号線が防波堤になっていた。
その西側にはいなかった。だがジリジリと東に広がってた。
だから夏でも楽しめる貴重な沢だたのだが、残念。
かくなる上は、なるべく水の中に立つこと。ヤマビルは水には入れない。
両岸の落ち葉、ゴロタ石に近寄らないこと。常に目視チェックすること。

自宅にお持ち帰りしないこと。ヤマビルは雌雄同体らしい。
ということは自宅に2匹以上持ち帰ると次の年から庭中にヤマビル大発生するゾ!

地元有志の方々の熱心な整備活動によって、いつも気持よく登らせてもらえるのがウレシい。

七つ釜入り口農家
この家の手前の林道が入渓点となる。

七つ釜大滝入り口 005
ゴーロを40分くらいでやっとゴルジュが現れる。

七つ釜大滝下流 007
この先、左に曲がると、こんなゴルジュ、、、

そしてお馴染みの大滝(梨沢不動滝)が現れる。今日は水不足だなあ。
七つ釜大滝 006


ガイドブック、現地案内板には「下降路としての尾根道は崩壊して使えない」とあるが、
これは情報が古い。
崩落点はヌルヌル滑る崖になってるが、固定ロープがあるので、なんとか突破できる。
沢の詰めから大日如来のピークへ急登したら、そのまま三浦三良山、梨沢大塚山経由で
梨沢橋へ降れる。

実はこのルートは、歴史マニアには有名な「鎌倉街道」の原型を残す貴重な道なのだ。
中世期、「いざ鎌倉!」というときは、人馬が駆け下って馳せ参じた。
事実、この周辺には当時の豪族の砦、城跡があるそうな。
「街道」だからといって道の左右に茶屋があるとか、そういうイメージではない。
今にも山賊が出そうな山道。まあ鎌倉古道とでも呼びたい。

でもなぜ、これほどの急な尾根道を街道として使ったのか?
理由は、沢沿いの道は大雨になれば通れない。台風のたびに崩壊するから。
それでは戦に間に合わないのだ。

だったら、崖を削って林道を作ればよかったのにと思うのはマチガイ。
沢歩きしてれば判ることだが、林道ほど自然破壊の原因となるものはない。
崖を削った土砂はそのまま沢へ落とす。
ところがバランスを崩された崖は、大雨のたびに崩壊を始めるようになる。
それを復旧するためにまた掘削する、また崩れる。悪循環なのだ。
自然は微妙なバランスで成り立っていることを昔の人は知っていたらしい。

実は、梨沢七つ釜には公開してはマズい秘密が2つある。ウーン、
でも言いたくなるううう。
一つ目は、猛毒のトリカブトの群落が、ほうぼうにあるのだ!
このことは駐在さんにも知られてる。だから犯罪に利用してもすぐアシがつくぞ。

二つ目は、バードウオッチャー垂涎の鳥 三光鳥、
サンコウチョウがゴルジュの茂みに営巣するのだ。
私は気付かずに巣の横を通ったらしく、たった2mの距離から親鳥に威嚇された。
梨沢だけではない。房総一帯の沢沿いなら、いくらでもいる。
「ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイホイ」と聞こえるのだ。三つの光だもんね。

こんな小さい、尾の長い、全身真っ黒、目の周りが白い鳥が、
なんではるばる東南アジアから海を越えて苦労の末、日本で営巣するのか?
南洋のほうが餌虫が多いのに、、、判らん。
実は、季節の無い熱帯よりも日本の方が、餌となる昆虫が春、爆発的に増える。
そこを狙って子育てにやってくるという。

また七つ釜には別な悩みもある。
それは大雨台風が来襲するたびに「天然ダム湖」が出来てしまうのだ。
大雨でゴルジュの上から巨木、巨岩が崩落して沢を堰き止めてしまう。
そうなると、美しい七つ釜がダムの底に埋まる。

七つ釜 天然ダム跡

ここが、ついこの間まで天延ダムの底だった七つ釜、まだ釜そのものは砂礫で埋まっている。
ダム底に溜まる落ち葉がいずれヘドロ化して下流への水質が悪くなる。
ムリヤリ突破しようとして転落したらヘドロだらけ、臭いどころか底なし沼状態。,
V字谷に水が溜まってるのだから足がかりはゼロ。
左右は垂直の壁で取り付くことも出来ない、絶体絶命だ!

このことだけならどこの山、どこの沢でも起きている。
ところが七つ釜では、ひとたび出来た天然ダムは、1年、5年、
いや十年もそのままなのだ。なぜこうなるのか?

1つの理由は、半島というのはもともと雨量が少ない。
夏でも雷雨がほとんどない。台風もめったに上陸しない。
だから、房総半島名物の、無数にある素堀りトンネル、川回しトンネルも、
百年以上経ってるのにその大半は、原型を保っている。
他府県の川回しトンネルで現存してるものはきわめて少ないそうだ。

もう1つの理由は、七つ釜の沢床が平らなことにある。
入渓点から源流までの落差が少ない。
よほどの大雨でないと、天然ダムを押し流せれるような激流にならない。
ダム湖を決壊させるには、何年に1度かの大雨が来ないとダメ。

ところが、ひとたび大雨台風、大風台風が襲来すると、今まであった天然ダムは流失するが、
新たに至るところで崩壊が起きる。、砂礫が淵を埋めてしまう。
また天然ダム湖を作る。元の木阿弥、モトノモクアミ。イタチごっこである。

それを知らずに七つ釜に来た人はガッカリする。
「水が臭かった」「倒木だらけ」「ヘツリのスリルを期待してたが、七つ釜が無かった!」
「天然ダムが突破できなかった」、、、、、、

このサイクルが繰り返されるのが七つ釜ファンとしては悲しい。
地元の方々は毎月、巡回して倒木をチェンソーでコマ切れにしてくれてる。
だがそれを流すには、は大雨、洪水を待つしかない。
だからネット情報でウオッチして、状況を確認してから遡行することをお薦めする。

運悪く、七つ釜が天然ダム底に沈んでいた場合、それを巻いて遡行するのは、
極めて危険である。

あるいは七つ釜がしっかり復元していて、初心者がそれをヘツルのがコワイとき、
急な増水で、これ以上の遡行がムリなとき、、、、などなど
そういう場合、「旧国体コース」を利用して「房州アルプス」へエスケープするという手がある。
このコースは昭和48年の「若潮国体」の登山競技で使われたという。

この国体ルートは、裏返せば、房州アルプスからの「大滝、七つ釜見物観光コース」なのだ!
下って登り返すという変則ではあるが。
普通、郷蔵の入渓点から大滝までは40分、ゴーロの河原を歩かなくてはならない。
毎回、これが退屈なのだが、これを省略できるのだ。

では、その国体ルートはどこにあるのか?
七つ釜を東西に横断できるルートは3つくらいある。

千葉県山岳連盟発行「房総の山」によると、、、、、
「鹿原方面から来る道と交わる稜線上の分岐(房州アルプス)から、
左に折れて2つ目のピークあたりから西に張り出している小さな尾根を一気に下る」
「谷間のルンゼ状の滝(大滝か、七つ釜か?)を通り、対岸へ渡ると、
道は一気に稜線上まで約80mの急登で、保田見への道(鎌倉古道)をたどる」とある。

さて「房州アルプス」からの降り口だが、、、、、
アルプス道の半分は、ゴルフコース造成(中止)当時に林道となって、
ピーク、尾根は切通しで破壊されてしまった。
結構有名なハイキングコースになってる。
そのスタート点から南に15分歩くと、右に尾根の切通し(壁)がある。
壁上へ急登する。壁上から尾根上西に踏跡が現れる。

七つ釜尾根

この写真では壁が見えないが、二股になってる立ち木が目印だ。
本来ならこの入り口に道標を立てたい。
だがハイキングコースだから、ヘタに入り込まれるとアブナい。
仕方なく、目印テープだけにしてある。

尾根道を西へ進むと途中で分岐する。左へ下れば、20分で沢床。
更に下流に5分下れば大滝である。上流に遡行すれば七つ釜である。
これをショートコースと呼ぼう。

右へ下れば40分でズバリ、大滝の落ち口に到着する。
これをロングコースと呼ぼう。
どちらも昔の炭焼き釜への道だ。急ではあるが危険はない。

七つ釜大滝ルート 001

これが梨沢大滝の落ち口から滝壺を見下ろした写真。直登は可能だが、降りるのはアブナイ。
右岸に、滝壺へ降りる撒き道の道標がある。

七つ釜大滝ルート 002
ここに不動像が、、
プロが撮った不動様。肉眼ではここまで見えない貴重なショットである。
不動像

滝の右岸の壁に四角く彫り込みがされていて、中に不動像がある。判るかなあ?
大滝が「不動滝」と呼ばれる所以なのだが。
遡行者は、薄暗いところなのでこれに気付くことが少ない。

七つ釜大滝ルート 003

ここが大滝落ち口から、房州アルプスへの登り口になる。
杉の大木の植林の間を登る。

ここの反対側、左岸の枝沢の奥にはこんな景色もある。

七つ釜支流チョックストーン


次の課題は、七つ釜から西へ登るルートだが、、、、、、
「80mの急登で保田見へ、、、」といえば大日如来への急登だろう。
幕営機材の入ったキスリングを担いで取り付くにはキビシかったはず。
あ、キスリングを知らない? 
カニの甲羅のように幅広の、昔の大きなザックのことなんだけどなあ、、、

国体は夏だったから、さぞかし大変だったろうに。
清澄山あたりがスタートだったそうだが、そこはヤマヒル王国発祥の地、
そんなところで野営して大丈夫だったのかなあ?

グアム島のジャングルで、戦後の27年を耐えた旧日本兵の横井庄一サン、
フィリピン・ルバング島のジャングルで28年戦った小野田少尉を思い出すなあ。
ヒル、蚊なんかがすごかったろうなあ。 
あ、こんなこと知ってる年代はもういないか?

追加情報
地元の鹿狩り名人によると、房州アルプスから七つ釜に直接、降下できるルートもあるそうだ。

DSC_6242.jpg
上から降りてくるところ
上から降りてくると
下流一つ目のお釜は、なんとかトラバース
降りてくると
次のお釜を下流へ突破するには泳ぐしかない?

DSC_6259.jpg
高巻いても次に沢床へ降りれない。ヤバイ!

オシマイです。
スポンサーサイト



プロフィール

ゴンベ

Author:ゴンベ
房総の沢、滝探検、ヤブ山探検、地形調査、デインギー(ヨット)などを書いていこうと思っています。
分かりやすいように書いていくつもりですが、もし分かりにくいことがあればコメントをいただければ可能な限り答えます。
読んでいただければ幸いです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR