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房総秘境鉄杖山ヤブ尾根

「物見塚山、トビ岩山、風早山、鉄杖山」の項でちょっと触れたが、
ここでは詳しく鉄杖山の踏査結果を説明します。

ここ10年、このブログで書いた山域を徘徊しているが、ガイドブックに載ってる七ツ釜、
九十九谷はともかく、そこ以外で山中で人に会ったことほとんどない。
出会うのは、先人の付けた色テープ、鹿、猪ばかり。
一度だけ鉄砲かついだ猟友会の人と会った。オレはイノシシ並みなのか? 
だから山中でバッタリ人に会うと、ホントお互いドッキリする。

静寂、幽玄、いや不気味ですらある。蔦だらけのブラック・フォレストだ!
前人未踏の秘境?なわけはない。植林者と狩猟者が入っている。
こんなとこ歩くのは私を含め変人、奇人、オタクのたぐいしかいない。

これが案内図です。
鉄杖山案内図


192mの鉄杖山である.。但し昔からずっと鉄杖山ではなかったという。
別な複数の名前が変遷してつけられ、今は鉄杖山となったそうだ。

東南の高野集落からならば150mくらい、ひたすら登るだけ。
表参道と裏参道があり、上部で合流する。

登山口を、図中のA,B,C,.順に説明すると、、、、

A.高野集落に川を渡って入ってから、ガイドブック通りに西へ左折すると
  裏参道へ行ってしまう。ほとんど私有地みたいな畑を抜けなければならない。
  畑道で、猪除けの金網ドアが2重にあり、ちゃんと閉めないとまずい。
  だからこっちを登るのはダメだ!

B.登山者なら、表参道から登るべし。
  東へ右折してすぐの逆Y字路が表参道登り口だ。
  こっちには金網フェンスなど無い。
高野から鉄丈山直登コースの登り口 (1) 右側の登り坂
高野から鉄丈山直登コースの登り口 (2) 近くの電柱番号

頂上には神社がある。地元では「ひのかみさま」(火守神社)と呼ばれている。
展望はゼロ。これだけだと困る。
鉄杖山頂上の社


ところが意外なことに、鉄杖山は4本の長大なヤブ尾根を四方に伸ばしているのだ.!
地形図で見ると、まるで巨大なタコが足を四方にひろげているような形だ。

この頂上よりも奥は、本格的なヤブ山である。登山路など無し!
ハイカーが入るのは危険!当方は一切、責任は持たない。
仮設の道標も立ってはいるが、いつ倒れるかわからない。
読図ができるヤブ山の経験者限定だ。ご注意のほどを。


C.北端にある妙見山から鉄状山へのヤブ尾根は倒木だらけ、赤テープもない。
  だが、登るぶんには迷うことなく鉄杖山へ到達するはず。
  ただし、下り逆コースでは必ず枝尾根に入り込んで迷う。
妙見様登り口
  地元では妙見様と呼ぶ。その登り口。砂岩に掘り込まれた階段の風情がいいねえ。
妙見様鳥居
  振り返ると上総湊が一望、いいねえ。参道を登る。
妙見様社
  妙見様の御社。このすぐ後ろが頂上。そこから鉄杖山へ尾根を南下する。
  いくつか断崖を回り込むが、これは古い石切り場跡である。
  石切り場跡への道が下っていくが、段差を乗り越え、現れた尾根を外さぬように正確に南下すること。


D.同じく、北端にある天神山から鉄杖山へのヤブ尾根には、
  十メートル間隔!に赤テープが付いている。迷わずに鉄状山まで到達する。
  といいたいが、天神山の南西には「別山」がある。
  こっちの西尾根のほうが明瞭なので、たいてい別山へ行ってしまう。
  そして行き止まりだ。

 
  なお、同様にここも鉄杖山からの下り逆コースは枝尾根に入ってしまって迷うはず。
天神山登り口
  地元では天神様と呼ぶ。右の車道を登る。
天神様鳥居
  中腹にある天神様。  
  天神山頂上へは、天神様の左手奥へ回り込んでから、段々状のヤブを急登する。
  段々畑だった?棚田だった?山城跡の段差なのか?
  別荘地として分譲するために段々に造成した?

  頂上から鉄杖山へは急な下りだ。尾根がいくつもの深い切通しで分断されてる。
  これは山城だった昔、敵への防御のための堀切りらしい。石切り場跡もあるらしい。
  切通しを横断して、東へ回り込むようにしてから正確に南下すること。
  切通しは道ではない!決して切通し方向へ向かわないこと。
  崖になったり、違うピークへの尾根に入り込んでしまうはず。
主尾根は切り通しで切断されてしまったのだ。
  切り通しを東側へよじ登る..そうすれば主尾根が現れて下へ続いている。
  

北西尾根の登り口は、竹岡側になるのだが、、、、、

E.田んぼの横の林道かあ入る。
  後述する「鎌倉古道、石崎説」の峠道なのだが、途中から崩壊して消滅している。
  道が無くなったら、廃田を南に渡って、そこから崖道へ取り付いて尾根に上る。
  このルートはネット本「房総丘陵」には書かれていない。
石崎説鎌倉古道北西

古道北西

F.更に南の、高速道インター正面から、高速トンネルへの林道を行く。
  林道終点からトンネル上のヤブ尾根に上る。
  このルートは「房総丘陵」に書かれている。
  ただし尾根筋で椎茸栽培をしていて、地主の「立ち入り禁止」札がある。
  さてどうする?
  
南尾根の登り口も竹岡側だ。
G.関山集落の路地から入る。これも「房総丘陵」に書かれてる。
  といっても狭い民家の路地から畑へ入るので、集落の人に聞くほうがいい。
関山集落入口

関山登口

H.相川トンネルへの分岐点の、コンクリート擁壁の階段を登る。
  「房総丘陵」には書かれていない。
  ここは急傾斜な上、ヤセ尾根が連続するルートで非常に危険、滑ったらアウト。
  覚悟がいるバリエーションルートなのだ。
  公開しておきながら、一般の方は進入禁止だああ!
004.jpg

J.相川トンネル登り道路の「東電161柱」から植林帯に入る。「房総丘陵」参照方。
  ここもけっこう急峻、植林伝いによじ登る。道も踏み跡もない。
  「ガマ岩」が上部にある。
東電161柱

ガマ岩2

これは「房総丘陵」に記載されてる「ガマをつぶしたような岩」、、、
意外と小さい普通の岩だ。急峻な尾根にあり、「下向きのガマ」なので、
登りでないと気がつかない。

K.相川トンネルの西詰めの別荘地から入らせてもらって高圧鉄塔尾根に上る。
  ここは風早山の項と連結して読んでください。

L.同じく相川トンネル東詰めの「鉄塔点検道」から入る。
  だが点検道は竹やぶで存在しない。
  入ってすぐの平地に養蜂箱あり!ブンブン飛んでる。私有地らしい。
  刺されないように、そっと抜けてからツルツル、ジメジメの急斜面を、
  太い固定ロープで登る。崖から常に地下水がしみ出ているのだ。

  実は、鉄塔点検道はどこでも必ず立派なプラスチック階段が設置されてる。
  この崖だって土、落ち葉の下にプラ階段が埋まっているのだ!
  ヒマな人は、スコップか足でほじくり出せば階段が現れて滑らないのである。
  ここも風早山の項と連結して読んでください。
  

どの登り口も駐車場所はない。離れた広い路肩に駐車して、そこから歩くしかない。  
登山道はないも同然。崩壊、倒木、ヤブで分断され、人がほとんど入っていない。
ヤブの薄い冬でも見透しが利かない。

鉄杖山の頂上の尾根はやたら幅広く、倒木で荒れてる。
そこからの下りの尾根分岐点はあいまいで見つからない。
道しるべのテープはあるが、行きたいルートとは限らない。
一方、迷い込んだ枝尾根の下部は狭く急峻である。

ということは、尾根や沢を上るぶんには迷うことはない。だが下りで非常に迷う。
登ってきた尾根を戻ろうと思って振り返っても、もう分岐点が見つからない!
どこも同じ景色に見えるのだ。
地形図とコンパス、そして推定距離、時間だけが頼りである。
GPSはヤブ屋としては邪道だ。こういう難しさが魅力?なのだ。

迷ってもパニックになってウロウロしないこと。夏は暑いので冬季限定とすべし。
高速道路のトンネルが、鉄杖山直下を東西に貫通してるので、
常にそれをイメージしながら歩くといい。トンネル出入り口の車の音が聞こえるはずだ。

案内図には踏査したすべてを書いただけ。
滝とか、キレットとかのイベントはなし。ひたすらヤブ、倒木なのだ。
鹿、キョン、猪がやたらに多い。
鹿が「キョーン」と鳴いたら、口笛で真似すると、ライバルだと思ってすぐそばまでやってくる。
だからいずれヒルの天国になるであろう。なお、現時点ではヒルの被害はなし。

スダジイの巨木


北西尾根にあるスダジイの巨木の列。
幹のところどころに屋号が彫られてる。山林所有者同士の境界線として植えたらしい。
ということは今後も伐採されずにさらに成長するか?

おまけ情報です。
ヒョンなことで「想定東海道支路、石崎説」というのを入手した。
戦前の陸軍の?古い地形図に、「かまくら道・石崎説、富津市史説」が併記されてる。
無断で転載させてください。
img001.jpg

img002.jpg

1.これによると石崎説ルートは、鉄杖山以南では道として現存している。

2.鉄杖山の北西尾根の北端を、上総湊から竹岡へ東西に横断するルートは、
  廃道ではあるが一部は存在する。峠とは言いにくい地形だ。
  植林帯となっていたり、突破困難な倒木、竹ヤブと化している。

鎌倉古道山神様

峠付近にある、ヒコ生えから成長したスダジイの巨木の下の山神様。
ということは、昔に伐採された親木はものすごく巨大だった?!

3.「鉄杖山の西肩を東南へ横断する石崎説ルートは険しいヤブ山である。
(1)北端は、上総湊の売津地区となっている。
(2)最初は天神山と妙見山の間の谷間を「売津下堰」まで南下する。
(3)じきに沢から離れて、天神山から鉄杖山につながる尾根道に上っている。
   このあたりまでは耕作されていて尾根への登り口もある、

(4)尾根から反対側の小沢に下り、その沢を南へ詰め上がる。
   そして鉄杖山の西肩に登り詰めているらしい。
   現在、ここには道が見当たらない。

(5)そこからは西の竹岡、関山地区への尾根道を下っている。
   ここについては前述「房総丘陵」に詳細記述があるので問題解決だ。
   とはいえ、相当険しい。関山の90歳のおばさんによると、
   「昔は上総湊に用事で行くにはこの道を登ったものだ」というから、
   軟弱な我々とは違って、古人はスゴカッタのだ。

鉄状山は無数の仕事道、溝道の廃道が錯綜しており、昔は人が入っていたはず。
残念ながら今は、その道自体が竹、笹の絶好の生育場を提供しており、
道を避けたほうが歩きやすいというくらい荒れている。だから秘境なのだ。

オワリ
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プロフィール

ゴンベ

Author:ゴンベ
房総の沢、滝探検、ヤブ山探検、地形調査、デインギー(ヨット)などを書いていこうと思っています。
分かりやすいように書いていくつもりですが、もし分かりにくいことがあればコメントをいただければ可能な限り答えます。
読んでいただければ幸いです。

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