fc2ブログ

ブリキの船!

img115.jpg

ヒマにあかせて動画検索していたら、、、

ロシア?東欧?の湖沼地帯で2人のジイサンがフネ造りを始めた。
船匠なのか、アマチュなのか不明。

まず材木屋のトラックが長尺の厚板を大量に荷下ろし。
次の宅急便トラックからは、幅1mくらいの普通のトタン板(ブリキ)の巻物を何本も下す。
厚板は裏庭に、セオリー通りに隙間に角材を挟んでん積み上げる。
雨を防ぐビニール屋根をかぶせて乾燥開始。、プロの造船屋なのか?

さて開始、、、、
厚板を台に置いてこれを平底の中心キールとする。
先端、後端にステムを立てる。
中央に角材を組み合わせた肋骨材を1つ立てる。
最上段の外板を曲げて、前後のステムにネジ止め。
これでダブルエンダーのカヌーを作るんだなあと判明。
ビームを兼ねた座席用の幅広板を入れてさらに曲げる。
これでスケルトン・カヌーが完成。防腐塗料を全面に塗る。この段階でなんで?
スケルトン・カヌー

さあて、次はどうする?
アレ、フネを台から下して、台上にブリキ板のロールを広げた。
その上に再びスケルトン・カヌーを乗せる。そして、、、
いきなり、まるでブリキ板を風呂敷みたいにフネを包装するように巻き込み始めた!
ブリキの外板

あらかじめシリコンシーラーを板に塗り、その上から全長の中間点の上外板とブリキ板を釘止め。
段々、曲げながら上外板の前後へ固定していく。
当然、釘先は突き抜けて反対側へ飛び出す。
ステムにもブリキ板を強引に曲げてネジ止め。先端が余ったブリキはカット、重ね折り曲げてネジ止め。
ここもシリコンシーラを塗り込む。
当然、中間点はブリキは余る。それも折り曲げて打ち付ける!ちょっと角が出来るが気にしない。
シエア材の内面に飛び出した無数の釘先はハンマーでボコボコ折り曲げてオシマイ。
ブリキの折り込み方

これで弁当箱みたいなカヌーがいきなり完成した。
さらに外側からブリキの切り口隠しの木板でお化粧。
ボトムをペンキ塗り。
ブリキおカヌー完成
近隣の注文に応じて何隻も作っているらしい。
湖沼地帯だからすぐには錆びないだろう。長靴で釣り、ハンテイングに出かける。
日常の実用品なのだ。
そして沼と沼の間の移動はヤブの中をズルズル引きずっていく。
なるほど、だから鉄板なのだ!無敵である。

だが、、、沈したら鉄板だと確実に沈むのでは?

このカヌーは、以前に紹介したベトナヌの「廃ドラム缶利用のサンパン」に共通した作りだ。
だが貧しさ故の作りではない。この大らかな、大陸風の知恵を見習いたい。
生活のための自作の原点を見た。とても楽しそうなフネ造りでした。

そのあとに見つけたのだが、ブリキカヌーにはバリエーションがあった!
平底部分だけをブリキにして、前端のステムは「橇」ソリになってる。
しかも後端のスターンは側面外板が「持ち手」になってる。
まさしく引きずるために生まれたボートなのだ。
ソリ型のブリキのカヌー



もう一つ、不思議な「丸木舟」の作り方の再現の動画を見た。
これもロシアあたりの寒いところらしい。

まず直径数十センチの大木を切り倒し、数メートルの丸太にカット。
外形を丸太船の形に削る。これを丸木舟に彫り抜くらしい。ここまでは普通。
斧、ノミ、カンナを総動員してひたすら掘る、掘る。大変な作業である。
昔の作り方の再現実験だから電気工具は一切使わない。
丸太カヌー奥底

だが、、、、、手にした完成模型を見ると船の全長の中間部はCの形にしか彫り込まれていない。
これでは座るどころか腕もやっと突っ込めるだけ。それに円筒形だから全く復元力が無い。なんで?
それでもガンガン掘る。
焚火
とりあえず形が完成したところで、外の雪原で焚火を始めた。暖を取って休憩かな?
そうではなかった。丸木船の前後を台に乗せて、中間点だけをあぶり始めた。
加熱曲げ

焦げるばかりに加熱しながら今度は内側に小枝を突っ込んで「C」の字を押し広げてゆく。
つっかい棒となる枝の長さを増しながら間をどんどん広げる。
とうとう人間の腰が乗るほどに、半月形になるまで、めいっぱい広げていくのだ。
丸太カヌー完成

そうか!これでベトナムの小型サンパンみたいなカヌーの形になったのだ。
だがラウンドボトムのカヌーは、いかにも復元性が弱く、横波で簡単にひっくり返りそうだなあ。

オシマイ






スポンサーサイト



ヨット、ボート自作の考え方

img112.jpg

img121.jpg
一家で完成記念写真!

世界各国のヨット、ボートの自作についてパソコン動画を検索して分かったこと、、

1.ヨーロッパ
伝統的な木造フネ作りの技術の伝承、保存、再生、記録が非常に多い。
バイキングシップの再現、クリンカー張りのボートの船匠の記録などなど。
ドイツにホームステイしたときにも再生されたバイキングシップが浮かんでいるのを見た。
グリーンランド・カヤックの工房、
そして伝統工法にもとずく高級ヨットの制作過程、

2.アメリカ
ステッチアンドグリューのホームビルドキットのオンパレード!
平底、箱舟、なんでもあり!

3.東南アジア
フィリピン、タイ、べトナム、インドネシアあたりのサンパン、川船。
インド、中近東のダウ船

ある意味で非常に感銘を受けたのはベトナム?のボート作りお兄さんだ。
川べりの小屋掛けしただけの小さな貧しい家、フネ造りで生計を立ててる。
4mくらいの船外機川船を、近隣の漁師から注文を受ける。

工具といえば、、、ハンマー、手鋸、蛮刀?反りの大きな短めの刀だけ!
電動工具も接着剤も使わない。ケミカルはゼロ。いや、コールタールくらいかな。

やや厚めの長尺材を用意する、、、、というか、梱包用の板の余り物にも見える。
それを庭におっぽり出してスタート。

まずは幅広の平板を仮キールとして地面に置く。ステムとして角材を前端に固定。
ムク板のトランサムを作って、後端に立てる。
仮キールとステム

最下端の左右外板となる長板2本を用意、前端をステム下部に釘打ち固定。
後端をトランサム左右に振り分けて固定。そして何本かの角材で二枚の板を押し広げる。
これでいきなりボトムの船型が完成!
あとは次々と外板をステムとトランサムに釘で打ち付け上げていくだけ。
釘のアタマをカットしたものを多数作る。これを下外板に半分打ち込む。
そに合わせて上の板を叩き込む。シングルプランキングだ。
この間、二人の子供たちが出来かけのフネに座り込んだり暴れたり、、
お兄さんは文句も言わず、子守をしながら黙々と作業。
時にはスコール、増水か上げ潮で地面はグチャグチャに、でもおかまいなし。
側面外板

板の寸法合わせは蛮刀でバシバシとカット。当然、隙間だらけ
ボトム無しのまま左右外板を数枚積み上げたら、角材を肋骨材として
何本か外板に釘打ちして立てていく。あっという間に和船そっくりの船型が完成!
反転ボトム張り

ひっくり返して仮キール代わりの板を除去、ボトム左右板をねじりながら打ち付けていく。
つまりキールは無くなる。平底の和船とは違って、立派なV字底になった!
もう一度、ひっくり返してガンネル代わりの板を肋骨角材の上端に釘打ちしてオシマイ。
肋骨材、ガンネル付け

板と板の隙間には、ロープをほぐした繊維をコールタール?に浸しながらコーキング。
外板をきれいな薄緑にペイントしてブランド名?をステンシルしたら完成!
内側は一切ペイントしない。

オンボロ三輪車に積み込んで、トコトコ、どろんこ道を漁師宅まで配送。
漁師から刈払い機のエンジンを改造したようなロングシャフトの船外機を受け取る。
これをセットしたらそのまま川を試運転して納品オワリ。
なんという素朴さ、なんという原始的なフネ造り、これぞバックヤードビルダーの原点だ!

こんな造りだから寿命がどうだ、性能がどうだ、水漏れは?なんて気にしないのだろう。
浮かんで、走ってナンボの世界。使わないときは、ペンキを塗った船底を上に伏せる。
内面はペンキも塗ってないからすぐ乾く。
というかコーキング頼りだから外板は濡れるのが前提、和船と同じだ。
腐ればケミカルゼロだから完全に自然に帰る。我々が忘れているフネ造りの原点を見た。

和船もこれとほとんど同じだったはず。
作り方の違いといえば和船は平底で、底板から張り始める。
外板をつなぐ船釘は彫り込んで打ち込む。ペンキは一切塗らない。

比べてオール・エポキシ・コーテイングのステッチ・アンド・グリュー船はどうか?
木造ストリップ・プランキングの美しいカナデイアンカヌーはどうか?
外側も内側も何層もFRPコーテイイングというか、ライニングしている。
透明だからきれいな木目、木の肌が見える工芸品?
いやいや、内部のベニア、木部はサンドイッチ材以外の何物でもない。
今やベトナムの川船、サンパンですら内外すべてにFRPコーテイングしている。

これらはオールプラスチック船ではないのか?
サンデイングするとき、廃棄するときは大量に粉塵、マイクロプラスチックが出る。

ケミカルを一切使用せず、というか存在しなかった時代、使い込むほどに
木目が浮き上がる和船の美しさ。「舟屋」にでも保管しない限り、限られた寿命。
はかない命こそが「木造船」の呼び名にふさわしい。そう思うこの頃である。


ビームの切り欠きについての疑問

大抵のボートのデッキはフネの中心が高いアーチ型をしている。
水はけ、ヒールしているときにスリップ防止、そして剛性をあげてモノコックを得るためだと思う。
だが、この美しいアーチに平気で切り欠き(ノッチ)を彫ってる設計のいかに多いことか。
理由はデッキの梁をビームに乗せるためだ。

ノッチはそれ自体が応力集中の原因になる。隅に大きなRを付けない限り、そこから破断する。
ビームは「両持ち梁」となっている。その中央に切り欠きを設ける無神経さ。
両持ち梁なら中央へ行くほど高さを大きくすべき。

だが例外なく高さは常に一定に設計されてる。
これは「アーチ」として圧縮力に変換されると考えてるのか?
細いビームなら、たわんでガンネルを押し広げようとするから分かるが、
多くのビームは断面係数の大きい、たわまない高さになってるからアーチとは言えない。

この不合理な設計を改善するには、つぎのようにすべきである。
1.ビームにノッチは設けない。接着しない埋木を乗せる。
2.縦梁はビームの上に乗せる。
3.ビームの高さは中央ほど高く設計する。
ビームの問題

グレーチングの疑問、、、、
船のオーナーのあこがれは「チークのグレーチング」であろう。
帆船、海賊船当時からの象徴である。
デッキの水抜き、水はけのためにスノコを置くなんてダサイ!

ところがグレーチングほど矛盾に満ちた構造はない。
全ての部材は切り欠きだらけ、それを縦横に組み合わせて格子にするのだから。
要するに日本家屋の障子そのものの構造だ。
強度もヘッタクソもない。ひたすら見栄え優先!合理主義の船乗りには信じられない。

強度、剛性を考えれば「スノコ」のほうが合理性がある。
ノッチはゼロ、縦横各々の部材はキッチリ仕事をしているから。
グレーチングとスノコ


ババリアの悲劇、、、25年前の話です。
ドイツでのホームステイのとき「オレのおじさんはババリアのキーム湖で船大工やってるぞ」
と聞かされ、延々1000kmアウトバーンに乗ってスイス国境の村まで連れて行ってもらった。
まさしく夢のような、絵葉書のような風景の湖。その中央の小島までポップおじさんの船外機で渡る。
その船外機はバッテリによる電動!もう電動以外は湖では禁止だそうだ。もう25年も前の話だよ!
さすが環境大国ドイツだ。

島には復元中の教会、船小屋、そして昔ながらの小さな造船所があった。
艇庫には過激な「数人トラピーズ用のスピードヨット」が完成していた。
当時、スイスの湖でこのレイク・ボートのレースが盛んだったのだ。

だが、その隣の小屋の中では、、、、
ランチボートのパイロットハウスをFRP粉塵だらけで兄ちゃんが1人で仕上げていたのだ!
美しい木造船の造船所だとばかり思っていた。いや、ついこの間まではそうだったという。
信じられなかった。環境大国のドイツで、こんなことが許されているとは、、、、、
このFRP粉塵の始末はどうするのか?吸塵ダクトも見当たらない。
回収したとしてこの粉塵はどう処理されるのか?マイクロプラスチックそのものである。

いくら寿命が長くとも、いくら腐らないといえども、もうプラスチックボートを作るべきではない。
せめて自作の世界では木造船、それもコーテイングなしのフネに限定しようではないか?
どうしてもというなら「オイルステインがけ」くらいで我慢しようではないか?


書きかけです




木造船思考

DSC07165.jpg

小型ヨット
img116.jpg
庭で自作中。次は耐水ベニアでボトム外板張り予定。
img133.jpg
無事に帰帆!砂浜で待つのは5才の長女。今、何才かなあ?
50年前に自作した「ヨーロッパ型モス・クラス」3.3mは海浜に置いていた。
予測した通り、艇体はある日、台風でもっていかれた。
残骸の力作、木製マストは物置の天井にやっかいものとして吊り下がったまま。
捨てられない。木製テイラーは郵便受けの柱として再利用。

そもそもなんでヨットを自作したのか?
昭和45年ぐらいまでは大変なヨットブームだった。堀江健一、石原裕次郎、、、
日本中の海岸にヨットが出現した。だが貧乏人には手が出ない。
完成艇はデインギーでも数十万円、海岸クラブの保管料は年間10万円。
セーリングクルーザーは1000万円!ハーバーの保管料は年間100万円。
だからクルーザーはお金持ちのオーナーのクルーになるとか、
自分たちでクラブを作り、共同購入した。
デインギーは学生のヨット部、実業団のヨットクラブが主体であった。

当時はどうやってヨット手に入れたかというと、、、
木造造船所、造艇所、ヨット工房に注文した。当然高価である。納艇まで時間がかかる。

そういう職人仕事の世界はあっという間に去った。
大手メーカーのFRPプロダクション艇が一気に席巻した。クルマと同じ、大衆化である。
それでも高価なことには変わりはないが。

ならばと自作すればその半額以下の材料費でなんとかなる。
保管場所は、、、、デンギーなら海浜に不法放置、クルーザーの泊地は河川、運河に不法係留。
まだマイカー時代は始まったばかりで、カートップ、トレーラー牽引は考えられなかった。
それに漁港のスロープで下すなんて許されなかった。

ところが、、、いつの間にかヨットブームは去った。
考えたらヨットというのは3Kスポーツ、きつい、汚い、、、
関東圏はハーバ適地は限られているし、漁業者が厳しい。
再び金持ちの道楽か、自治体の青少年育成スポーツくらいになった。
中京、関西方面はいまだにヨット、ボートは健在だが、地形的に適地が多いからだろう。
といっても個人所有の多くは不法係留、不法放置であるが。

それにわざわざ自作せずとも安いFRP中古ヨット、ボートがいくらでもある。
ヨットの中古はとても安い。その気になれば即、マリンライフが始められる。
ただし保管料は相変わらず大変な額だが。
かくてヨット、ボートの自作は、作ること自体が趣味、道楽になってしまった。
いや、もうほとんど絶滅している。

マリンスポーツ自体、どんどん変化している。
ジェットスキーブームも下火に。船検不要、運転免許不要の3m釣り船。
スタンデイングサーフボード、激安プラスチック・カヤックでの釣り、、、、などなど

今、木造ヨット、ボートを自作しても全く無駄に終わる。
露天、海岸に保管したら雨水でたちまち腐る。
オーニング(カバー)をかぶせても隙間から雨は入る。
船底をエポキシでコーテイングしてうつ伏せに置けば多少は有利だが、
いちいちマストを倒さなければならない。。
雨風をしのぐガレージ、艇庫、フナヤ(船屋!)で保管しなければすぐに使い物にならなくなる。
そんなお屋敷、別荘を海岸に持てる人は別だが。

自作経験を通して、造艇のプロセスへの興味が湧いてきた。

ベニア張りのヨットの構造は飛行機の構造に似ている。
セミ・モノコック

セミ・モノコック(応力外皮構造)だ。外皮がベニア、内側にロンジ、バテン、
バルクヘッドが通っている。軽構造である。
戦時中には木製の戦闘機、爆撃機まで作られた。
どちらも流体の中で支えられている。
集中荷重がないので華奢な割には簡単には折れないのだ。
鋼鉄製の本船だって規模は違うが、基本は全く同じ作りになっている。

セールは飛行機の翼と同じ働きをする。揚力で前進する。
キール、フィンキール、センターボードも翼である。揚力で横流れを防ぐ。
最新のヨットは水中翼で空中を飛ぶようになった!


シングル・プランキングについて、、、
シングルプランキング
もっと昔の木造船といえば古来の西洋船だ。
帆船、ネルソンの軍艦、フックの海賊船、黒船、大型マグロ船などの世界的な基本構造だ。
長くて厚い外板をひたすらフレーム(肋骨材)に打ち付ける。

板の隙間はマキハダ(ヤシの毛、シュロの毛,)マイハダ(槙皮)ヒワダ(檜皮)
を詰め込んでコーキングする。
これなら腐った外板は取り外して交換できる。それを繰り返せば長い寿命を保つ。
単純な構造である。一応、「剛構造だ」と言われている。
だが隣り合った外板同志は全く結合されてはいない。
ひたすら厚い板の剛性に依存している。
外板とフレームによるモノコックではなくて無数のラーメン構造の連続といえる。
こんな構造で大洋に乗り出した大航海時代の先人は勇敢というか無謀というか。
いや、今でも東南アジア、インドあたりの大型船、サンパンはシングルプランキングが現役だ。

木造船は海水では簡単に腐食しない。バクテリアがいないからだ。
船虫もいるが海岸で見るフナムシとは違う。キクイムシだ。
それにやられるのはよほどの大型木造船だろう。
だが水面上は雨水でバクテリアが元気になって簡単に腐食する。
ペンキ塗りなど気休めというか、むしろ密閉させて腐食を進める。


塩害といえば、、、
ヨットの金属部分は塩害だらけ。たちまち錆びる。穴が明く、
淡水の琵琶湖のセーラーが名古屋のヨットハーバー(海水)に中古ヨットを買いに来て、
その金具の錆びのひどさに驚いていた。
塩害とは、電食である。イオン化傾向の違う金属同士で電池になって腐食を促進する。


小生の自宅は築40年の安プレハブ建築。海岸なので鉄板の雨戸は10年で全て消滅した。
鉄製物置は3年でアウト。テレビアンテナは3ケ月、車のエンジンルームは真っ赤。
エアコンの室外機の電子基板は3年でダウン、潮風は恐ろしい。
人の住むところではないと言われた。

どうやって対策しているのか?
沖縄ではエアコン買ったら業者に6000円で塩害対策してもらうという。
業者は電子基板を開けて、洗浄剤でクリーニング、その上からシリコンスプレーする。
それを何度か繰り返す。厚いシリコン被膜が完成する。
早速、当家も実施したら、、、10年経ってエアコン室外機の外板は腐り始めたが機能はなんともない。

九州ではテレビアンテナを付けるとき、結線してからシリコンシーラントを配線ボックス内に
メチャクチャに充填する。10年経ってもシッカリとテレビは見える。
なお「酢酸系シリコン」は絶対使わないこと。

実は、14枚あった鉄板雨戸のうち2枚の鉄板の雨戸だけは、錆びだらけなのに
40年経った今も健在、なんで?理由は「サビるだけサビるともうサビない!」
どうも「黒錆」に到達するとそこから進まないらしい。

脱線した。

木造船、、、、
在来の日本の和船、川船、沖縄のサバニ(カヌー)中国、東南アジアの川船、サンパンなど。
これらの構造のポリシーは、スゴク厚い板をはぎ合わせ、縫い合わせて作る。
フレーム(肋骨材)はほぼなし!基本的に厚い外板が強度の全てを受け持つ。
キール(竜骨)が無い平底船が多い。縦方向のロンジなどの補強部材もない。
ということは、これこそが今、はやりの「ステッチ・アンド・グリュー工法」のご先祖様なのだ!

当然、ヨットよりはるかに重い。
フネにとって重いことは必ずしも悪いことではない。重ければ慣性が利く。
接岸時には漕がなくとも行き足が止まらないから楽だ。
向かい風でもゴムボートみたいに押し戻されにくい。タッキングに失敗することがない。
波浪中でも波を引き裂く。
平底なので、重い割にはエンジン馬力があれば意外と滑走する。

川船などの木造船の船型の設計図はない。展開形状の型板で外板を切り出す。
「通し1枚モノ」の長い外板をムリヤリ曲げて前端を近ずければ船型がいきなり完成する。
板が曲がらなければ火であぶる。燃えないように水をかける。
内面にフレーム、コーミングを後付けすればオシマイ。
ある意味、大変お気楽なフネ作りである。あーあ、ヨットもこんなに簡単に出来ればねえ、、
、いや、カヌーだったらこれで十分実用になるはず。

板と板には接着剤は使わない。「フナ釘」「ヒモ」「ツタ」で板をつなぎ合わせる。
クサビ、駒でつなぎ合わせる。
板と板のハギ目の局面を合わせるのは難しいい。スキマが多い。
この合わせ目をどうやって密着させるかというと、、、、実に素晴らしい先人のアイデアがある。
つなぎ合わせる前に板と板の隙間に鋸、金鋸の刃を突っ込んで引いていく。
そうすると両面が同じ形に修正されるのでピッタリくっつくのだ。.
通し鋸、合わせ鋸だったかな?
これは木の木端、コバを毛羽立たせるためでもある。「アテズリ」ともいうらしい。
これで「木殺し効果」が倍増するそうだ。

次に「木殺し」をする。ハンマーで毛羽立ったコバを均等に叩き潰していく。
こうしておけば水に浸かると膨張してスキマが無くなる。樽や桶職人が使う技だ。
乾燥状態ではスキマがあるのでそこに「マキハダ」を突っ込む。

ベトナムの川船、サンパンだと針金、プラスチックの緊締バンド、竹釘、木釘で止めてる!
そんなんで大丈夫なのか?まあ、
そのあとからフレームを部分的に固定するので無防備ではないのだろうが。
サンパン、川船

もし、陸上で風呂桶代わりに水を一杯入れたら大変だ。
FRPフネは内圧をほとんど受けない。ボートといえども、ドレンプラグを外し忘れて陸置きして雨水が溜まると
簡単に船体が折れる!そういうキズものデインギーを安く買って乗り回したものだ。

内圧でフナ釘、ヒモ、ツタ、プラバンドは抜ける、ちぎれるはず。
だがフネは主として水圧で外力を受けるだけ。円筒形の船型は主として圧縮力しか受けない。
だかいい加減な止め方でも持ちこたえるのだ。
もちろん、ホギング、サギングで曲げ、ねじれも受けるのだが。

それにしても錆びやすい、たが鉄釘でどうして和船が持ちこたえるのか?
いまだに理解できない。
和船の外板縁には点々と四角いくぼみがある。あれがフナクギの頭を埋めた跡である。
縫い合わされて作られてることがよく分かる。
和船

フナ釘
ベトナムのサンパン作りの動画を見ていたら、、、
ドラム缶を切り開いて、その鉄板をそのまま外板に利用してるのには驚いた。
隙間にはゴム板を挟む。継ぎ合わせには普通の鉄釘!
水漏れはそのまま、ひたすら汲み出しながら走る.。
コールタールを内面に塗りつけてるものもある。


木栓について、、、
木材には必ず「節」がある。「生き節」「死に節」がある。
「死に節」は大抵、丸い。それがスポンと抜けたらさあ大変!ホースから噴き出すように浸水する。

小生の祖父は羽田の海苔の網元だった。正確には網元へ来た婿養子だが。
敗戦後、海苔の養殖を再開しようと「ポンポン漁船」を新造した。
その「ふなおろし」進水式に乗せてもらった。
浸水した途端に外板の「節」がポンと抜けた!あっという間にスゴイ噴流が流れ込んできた。
同乗してた船大工はすこしも慌てず。手には丸い「木栓」を持っていた。
テーパーが付いた酒樽の栓みたいなものだ。
それを節穴に叩き込んで、出っ張りをノミで落とせばオシマイ。実に素晴らしい早業だった。

後年、セーリングクルーザーに乗ったら「船検」があった。車検みたいなものだ。
その装備品リストに「木栓を数ケ」とあった。外板との貫通穴、たとえばトイレ、シンク排水穴など、
万一、配管が壊れたら木栓を叩き込む!
歴史は生きていたのだ。

羽田のノリ養殖は、漁師にとってはリスクが多かった。
当時はノリヒビ(竹竿)を海中に立てて海苔網を張る。そこに海苔の種がくっついて成長する。
寒風が吹きすさぶ11月から3月までの間に、小さな「サッパ船」足船に乗って手で収穫する。
サッパとは笹の葉みたいな木造の小舟だ。

当然、多くの臨時雇いを募集する。ポンポン漁船は朝、数隻のサッパを引っ張って漁場へ向かう。
ノリヒビのところで放す。夕方、またポンポン漁船で回収に行く。
冬は天候が急変する。回収が間に合わず、子供のような臨時雇いが冬の海で死んだ。

ノリヒビ養殖方式は毎年の好漁、不漁が激しかった。なぜかというと、、、、
潮の満ち干ごとに海苔が海面に露出する。それが海苔の旨味を増す。
だが海面温度が高い年、干潮が極端に長い年は不漁になる。
不漁の年は借金、好漁のときは借金返済に追われる。
漁業者にとってはバクチみたいなもんだ。

いっぽう、海苔問屋にとってはオイシイ商売だった。好漁の年に安い海苔を買い占める。
不漁の年に、それを高値で放出してボロ儲け。
結果、海苔問屋の旦那は道楽三昧、お座敷遊びにウツツを抜かす。芸者をお妾さんに囲う、
芸者上がりのお師匠さんに入れ揚げて三味線、長唄を習ったり、、、落語の世界だね。

そして、、、高度成長期が到来、東京湾埋め立て事業が勃発する。
羽田の海苔養殖は全て大金の漁業補償で廃業、壊滅した。
見たこともない大金に海苔漁業者は目がくらみ、それに目を付けたヤクザ、侠客が入り込んだ。
連日の違法賭博、あっという間に負けが込んで、海苔業者は大金の全てを失って夜逃げ、一家離散!

今日では、ノリヒビは水平に海苔網を張る方式に改良され、好漁、不漁の差が改善された。
「潜水艦」という特殊船が開発され、フネが網の下をくぐるだけで一気に収穫できるようになっている。

あーあ、また脱線してしまった。

書きかけです。




プロフィール

ゴンベ

Author:ゴンベ
房総の沢、滝探検、ヤブ山探検、地形調査、デインギー(ヨット)などを書いていこうと思っています。
分かりやすいように書いていくつもりですが、もし分かりにくいことがあればコメントをいただければ可能な限り答えます。
読んでいただければ幸いです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR