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オートジャイロとヘリコプター

突然ですが、ヘリコプターの話をさせてください。

ライト兄弟が操縦可能な固定翼機で飛んだのが1903年。
だが安全に操縦できる機構を持ったヘリコプターは1935年になってようやく出現。
実際に大いに利用されるのは戦後になってから。ヘリコプターは難しかったし危険だった。
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この本を読んで子供の頃からの疑問が氷解した。ただし、やたら「話も飛ぶ」ので読みにくい。
原理についての説明にはちょっと怪しいところもある。
でもヘリコプターの開発の歴史がよく分かる。
ページの半分は、ヘリによる武勇伝で占められているから著者はミリタリー・オタクらしい。

ヘリコプターが実用化されるずっと前に、オートジャイロというのがあった。(見たことないけど)
宮崎駿のアニメ 「カリオストロの城」で有名になった。
オートジャイロ
初期のオートジャイロには主翼も尾翼もある。
プロペラによって前進し、ローターは風を受けて回り出し、揚力を発生するだけ。
現代のヘリコプターのようにローターを傾けることによる操縦はしてはいなかった。

現在、ネットで見ると自作した単翼のオートジャイロが軽快に離着陸している。
モーターカイト(モーター・ハング・グライダー)のように背中に推進ペラがある。
垂直尾翼(方向舵)が付いてるものが多い。
単翼ローターで両翼が一体でヒンジが無い。大きく撓むから複合材料かも?
シーソー型の一軸水平ヒンジ?操縦桿でローターの軸の傾きをコントロールしている。
離陸前にローターを一時的にエンジンにつないで事前回転できるるものもある。
いろいろあるが、どれもとても安定して飛んでる。原理的にへりよりは安全なのだ。
それに比べて自作ヘリは危なっかしいものが多い。
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オートジャイロは1920年代には広告の吹き流しを引いたりして、とっくに実用化されてた。
ホバリングこそ出来ないが、ヘリコプターと大差ない飛行ができた。
安全で燃費も良さそうなのに、どうして絶滅したのか?
これが私の疑問だった。
その理由は、、、、、積載量がわずかで、速度が意外に遅かったから?

確かに第二次世界大戦時、ムッソリーニの奪還作戦に活躍したナチスの「シュトリヒ」
(フィーゼラー社製)という軽飛行機はテニスコートから離着陸できたし何人も乗れた。
巡航速度はオートジャイロyりは速かった。

オートジャイロが最初に注目されたのは、意外なことに安全性が高いことだった。
エンジンが止まっても、ローターは風車みたいに回転してる。
いわゆる「オートローテーション」である。なので固定翼機のような失速がない!
パラシュートを付けてるようなもんだ。
開発初期ですら、墜落しても死亡事故はほとんど無かったという。

開発が遅れていたヘリがあとから進化してきて、オートジャイロを駆逐した。
ヘリが実用化できたのはオートジャイロから得たノウハウが貢献していたのだ。
オートジャイロのオートローテーション緊急着陸(滑空着陸)をヘリコプターも利用してる。

ただし、ヘリはエンジンブレーキがかかったらローター回転が下がってしまう。
だからエンジンが止まったら即、接続を絶たないとアブナイ!
なので、エンジンとの間は常に「フリーホイール」で繋がってる。
ラチェット構造で、一方向の回転だけ動力を伝える。自転車と同じだ。
止まったヘリのローターがなかなか止まらないのはフリーホイールのせいだったのだ!

いつ、エンジンが止まってもオートローテーションできるように斜めに降下する。
ホバリング着陸はリスクが大きい。常に150m以上の余裕高度を保って飛ぶ。

現在のヘリコプターの多くは「まともに」飛ぶために、ローターの付け根の
構造が物凄く複雑だ。「全方向関節」である。その1本のヒンジ・ピンが破断しても墜落する。
アブナイ乗り物だ!
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そのせいもあって、開発も、生産コストも、整備費用も、固定翼機の10倍だとか。
そういえば、、、エンジンだって水平軸で回ってるのをギアで垂直軸に変換してるし。
レシプロのプロペラ機はペラとエンジンは直結だが、ジェット・ヘリは1万回転で回る
ギアを使って、ターボシャフトの回転をを400回転くらいまで落とさなければならない。
複雑極まりないし、機械的損失も大きい。

なんで現代のヘリのローター付け根がやたら複雑なのか?を考えよう。
竹トンボは飛んでるとき、軸は「ミソスリ、味噌擂り」運動をする。ナンデ?
加工精度が適当だし、空力的な変動が大きいからだ。
最初のオートジャイロも、竹トンボみたいにローターと軸が一体だったのか?
軸が機体だったら振り回されてしまうし、壊れる。たまったものではない。
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左右のブレードは一体でも、シーソーのように中央にヒンジがあったのかも?
ブレードが複数あって、なおかつそれらが一体なら、自在接手だった?
それともボールジョイントだった?分からない。
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前進速度が上がるほど「左右の揚力差」が大きくなる。当り前だ。
上から見て時計回りにローターが回るなら、前進速度が上がるほど、
右半円ではローターは揚力を失い、左半円での揚力は過大になる。
だから、前進スピードが上がると必ず右に転倒してしまう!ノロノロ進むしかない。

1.これを解決したのが「羽ばたき」だという。 ナニソレ?
      多分、「水平ヒンジ」を付けたのだと思う。
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「フラッピング」とは羽ばたきのこと。ローター付け根の水平軸ヒンジのことだ。
左右のローターが、鳥の翼のように独立して付け根から上下に羽ばたける。
オートジャイロのローターの付け根に水平軸ヒンジを付けたら問題解決!ナンデ?
ローターは回転すると遠心力で「ごくわずかに上向きの「オチョコの傘」みたいになる。
そして、オチョコのコーンは、受ける風向、風圧に従って「自律的」に傾きと形が変化して
バランスするという。
機体はヒンジを介して「オチョコになった傘」にぶら下がってるのだ。

現代のヘリも、このオートジャイロで発見したフラッピング・ヒンジが付いてる。
ただし、「水平2軸ヒンジ」である。
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どうしてオチョコの傘は自律的に変化するのか?
それは鳥の羽ばたきそのものだというが、ここがちょっと怪しい。

上から見て時計回りのローターを考えると、前進スピードを上げると、、、
   揚力が増える左半円のローターは、腕を上げて(傾いて)回転する。
   揚力のベクトルも傾くから、有効揚力は頭打ちになる。
  
   揚力が減る右半円のローターは腕を下げて回転する。
   最低限の揚力を保って頑張る!
   強力な遠心力のために、例え揚力がゼロになっても回転円周面よりは下がらない。
   
その結果、左右の傾き角度が異なるコーンの形で自律安定するということではないのか?
ちっとも鳥の羽ばたきではないと思うけど、、、
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回転円の左右の揚力は左右バランスを受け持ってる。
上から見て時計回りのローターなら、高速になるほど右の揚力は減る。左は増える。
「オチョコの自律性」も限界が来る。
いずれは後ろ向きに回るローター側のチップ・スピードが機体の速度に追い越されて、
揚力がゼロになる。左右バランスは失われる。
前向きに回るローターのチップスピードは機体速度が加算されて音速に近くなる。

また、高速巡航中の揚力の大半はローターの回転円の前縁と後縁が受け持っている。
前進速度が上がるほどローターの回転速度と前進速度との合成風向が前向きに変わっていく。
そうなればこっちも揚力が頭打ちになる。
現在のヘリは実用で300km/h、最高で400km/hを記録した。これが限界である。
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上昇中は揚力を高めるため、また下降中は下から風圧を受けるため、
ローターブレードは「オチョコ」つまりわずかに上に開いたコーンになる。
物凄い遠心力のおかげで、フラッピング・ヒンジがあっても「バンザイ」までにはならない。
巡航時はほぼ水平になる。
停止するとローターはひどく垂れ下がる。危ないので下方向側にストッパーが付いてる。

2.それでもオートジャイロのローターは疲労破壊した。なぜか? 
     ここは難しいのだが、ローター回転円には「コリオリの力」が発生する!ナニソレ?
コリオリの定理は、自転しながら公転(移動)するものには必ず付いて回る。
微小な力だけど無視は出来ない。
例の「北半球の台風の渦は反時計回りになる」という理屈だ。
ローターの場合は、話が裏返しになるからヤヤコシイ。詳しい説明は省略させてください!
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前進移動するローターは一周する間にわずかに加減速するのだ!分かるかなあ?
ガッチリ固定したローターは、前進速度を上げるとスゴイ振動になる。
なのでオートジャイロは、水平方向もある程度自由にさせる「リード・ラグ・ヒンジ」または
「ドラッグ・ヒンジ」とよばれる水平軸を設けた。
ローターは水平回転面で「ラグ程度」つまり「ガタ程度」にわずかに動ける。
但し、ここにはダンパーが必須である。ダンパーが無いと振動が増幅してしまう。

ヘリコプターも、このリード・ラグ・ヒンジ(ドラッグ・ヒンジ)が付いてる。
これもオートジャイロの開発のおかげだ。

3.そして更に、、、現代のヘリには「フェザーリング・ヒンジ」が付いてる。ナニソレ?
      これは「ピッチ・ヒンジ」と言ったほうが分かり易い。
      ブレードのピッチ角(迎角)を変化させるのだ。
但し。オートジャイロにもフェザリングー・ヒンジが付いてたかどうかは書かれていない。
ここで言ってるフェザリング・ヒンジとは、船のスクリュー、飛行機のペラと同じ
「可変ピッチ」のことを言ってる。当然、フェザリング、つまり「迎角ゼロ」にもできる。
なぜなら前述した通り、エンジンとローターはフリーホイールで接続されている。
だから停止中にフェザリングしておかないと、風が吹くとローターが回ってしまうからだ。
クルマのサイドブレーキ・レバーみたいな「コレクテイブ・レバー」を引き上げて、
ピッチ角を変え、揚力を調節し、上昇、下降、巡航する。

フェザリングとは本来、「風になびく鳥の羽」のことだ。
鳥の風切り羽は羽軸が片方に寄っている。だから風が当たると戦国時代の幟旗・ノボリバタ
みたいに「なびく」のだ。
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エンジンストップしてしまった飛行機は抵抗を減らすために、ペラのピッチ角を進行方向に
向けて風圧で回らないようにする。これをフェザリングと呼ぶ。
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余談だが、ヨットや、モーター・グライダーは、スクリューやペラが邪魔なときは完全に
折りたたんでしまうフォールデイング・ペラ(折り畳み)があるが、これもフェザーリングとも
呼ぶことがある。ヤヤコシイ。
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4.ヘリのローター回転数は大体、毎分300回転数くらいで一定にしている。
        クルマみたいに頻繁にパワーコントロールはやらない。
        コレクテイブ・レバー先端に付いてるダイアルを回すだけ。

コレクテイブ・レバーを引くと、ブレードのピッチ角が大きくなって揚力が増えて上昇する。
だが当然、抗力も増える。それに応じてエンジンに負荷がかかる。そして回転は下がる。
揚力も下がる。だからダイアルを回して予めパワーを上げておく。
一番怖いのはピッチ角をやたら大きくし過ぎることだ。墜落する!
そうならないようにピッチ角の最大値は制限される。

5.なおかつ、回転面の中で「非対称に」ブレードのピッチ角を変化させることが出来る!
     これこそ現代のヘリ独特の優れた構造だ。
     これはオートジャイロには付いていなかった。
本村川源頭ルート
この操作はサイクリック・ステイック(操縦桿)で行う。飛行機と同じだ。
但し、前進上昇時は前へ倒すので、全く逆である。
これを可能にしてるのが「スワッシュ・プレート」だ。「斜板」と訳している。
傾きが可動になる円盤が軸を貫通していている。 門松の斜め竹割りみたいなもんだ。
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スワッシュ・プレートって何? クルマのエアコンのコンプレッサーは、昔は縦型ピストンだったが
昭和40年代には、ほとんどが筒型水平ピストンのスワッシュ・プレート構造に置き換わった。
昔、ロータリーエンジンと張り合って、「スワッシュ・プレート・エンジン」も開発されてる。
なつかしい!
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ヘリは、ローター直径がデカいほど効率が良い。なぜか?
「ダウンウオッシュ」つまり下向きの風が弱いほど効率が上がるし安全なのだ。
ジェット機だって噴流速度を上げる全開離陸時よりも、相対風速が小さくなる巡航時のほうが
効率が高い。
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ヒンジだらけの現代のヘリは「全関節型」と呼ばれる。三方向に自由だ。
だが今、革新が起きてる!
ローターそのものを複合材料の板バネで作ればヒンジを廃止出来る!いや、全廃はムリか。
こうすればヒンジピン1本が折れただけで墜落!という脆弱性が無くなる。

スカイダイビング体験記のところで書いたけど、あのとき飛び降りたジェットヘリの迫力は
いまだにに頭に残ってる。たった10分で3000mも上昇したのだ!
但し正確に言うとジェットヘリではない。ターボシャフトだ。
ジェットを推進力としてはほとんど使ってない。もったいない。

ジェットの燃費は物凄く悪い。
ダイビング料金の大半が燃料代だというのは、ヤッパリ本当なのだ。
だが軽量、高馬力のガスタービンがあってこそ、現代のヘリは進化できた。
宙返りといった高機動飛行さえできるようになった。

それはそれとして、ネットを見ると沢山、自作ヘリの動画が見れる。
その多くは飛び上がれないか、飛び上がってもとんでもなく不安定で
たちまちひっくり返るものが多い。
自作ヘリの動画の失敗は、先人の同じ失敗を繰り返しているように見える。
1.浮き上がった瞬間にひどく不安定になって横滑り、転倒する。

2.特にテールローターが付いてるポピュラーなタイプは、浮いた瞬間に機体が回転する!
  テールローターが不要な、つまりメインローターの強大なトルクを打ち消してしまうタイプの
  「2重反転ローター」とか、「複数のメインローター付き」がある。
  更には、トルクそのものが機体に伝わらない「チップジェット」があるが、
  物凄い音が出るので絶滅してるし、、、、、これらを自作するのは大変だろう。

3.浮き上がったとしても、地面効果(グランド・エフェクト)が無くなる高度1.5mから上を
  突破するには更なるエンジン馬力が必要になる。パワーの壁だ。

その点では、自作オートジャイロの多くは非常に安定した飛行をする。
自作ヘリコプターはとても危険な乗り物なのだ。


書きかけです。

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プロフィール

ゴンベ

Author:ゴンベ
房総の沢、滝探検、ヤブ山探検、地形調査、デインギー(ヨット)などを書いていこうと思っています。
分かりやすいように書いていくつもりですが、もし分かりにくいことがあればコメントをいただければ可能な限り答えます。
読んでいただければ幸いです。

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